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ファッション中毒  ~スタイルに溺れ、ブランドに操られるあなたファッション中毒 ~スタイルに溺れ、ブランドに操られるあなた
ミシェル・リー
NHK出版 刊
発売日 2004-05-27



ファッションを冷静に見つめ直すために 2005-02-02
この本では、ファッションに踊らされる人たちを
「ファッション・ヴィクティム(ファッションの犠牲者)」と呼び、
 ・大枚をはたいてボロを買う(わざと古びさせ、傷つけたファッション品が人気)
 ・使えない便利さを欲する(フード付きシャツのフード等)
 ・ペット・子供も自分同様に着飾らせる
というような症状が出る、と言っています。
たとえば以下は「使えない便利さを欲する」の項。
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2001年には、穿くたびに脚にごく少量のローションを塗る効果あり、
というストッキングが出て、各女性誌から絶賛を浴びた。
日本の富士紡績は、着るだけで一日のビタミンC所要量が
補給できるTシャツとレースの下着を開発した。(中略)
でも−(中略)、何かもっと
本当に役立つものを発明したらどうなんだろう?
たとえば、かぎ裂きしにくいカシミアのセーターとか。
それってそんなに大変なこと?(p.44-45)
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もう1つ、面白かったところを。
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消費主義にそれほど毒されていない国の人々は、
ちょくちょく服を変えたりはしない。(中略)
ほかのことに関しては嗜好が安定しているのに、
服の趣味だけがそんなにころころ変わるなんて
おかしくはないだろうか。
好みの異性のタイプはめったに変わらない。
食べ物の好き嫌いもあまり変わらない。
美術品や映画の好みにしたって、
生涯通じてそう変わるものではないのでは。
それなら、なぜファッションの場合だけ
そんなに移り気なのだろう?
スピード・シック現象を知るためには、
その必須要素であるを理解することが重要だ。(p.72)
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米国ファッションの近況から服飾業界の実情を描いているため、(親切なのだが)非常に注釈が多いのに、少しゲンナリ…。
だが、消費者からファッション雑誌のマスコミの実情、アパレルメーカーの実態、そして環境保護団体への言及まで幅広く網羅しており、現代ファッションを取り巻く状況を理解するにはもってこいの一冊。
服の着こなし方に興味がある人よりも、アパレル業界で仕事をしてみたいと考えている人にお勧め。なぜならば、アパレル業界とマスコミの関係、生産現場の実情、ブランド価値の作り出し方、業界がローカル(国内)産業に留まっていられない経済環境から購入する消費者の心情まで記されているからだ。

筆者の原文のせいなのか、翻訳の文体に好き嫌いが出るかもしれない。


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